2025年01月01日

謹賀新年 2025

あけましておめでとうございます。
すっきりと晴れた初日の出でとなりました。
本年もよろしくお願いいたします。

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ベランダからの初日の出

posted by ja6irk at 07:31| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2024年12月31日

2024年の御礼と総括

2024年12月31日のこの時間になってやっと総括です。
最後まで今年の状況がよく表れてます。
まず、今年も大変お世話になりました。
ありがとうございました。
来る2025年も宜しくお願いいたします。

総括です。
恥ずかしながら、日記なのに今年は3回しか投稿していません。
新作のパドルと新作の短縮型VDPです。
X(旧ツイッター)でのつぶやきが簡単なのでそちらに重心が行き過ぎてしまった
感があります。反省事項です。
<イベント参加>
2月 ちばハムの集い
6月 いばらきハムの集い
7月 関西ハムフェスティバル
8月 ハムフェア
9月 東海ハムの祭典
<新作>
新パドル:
従来のPaddle mini、Slideに加え、Paddle S mini、Traveler等、多くのモデルを
作りましたが、いずれも再現性が悪く、納得いかないため、以降の頒布はほとんどできませんでした。
来年は、もう少し詰めたいと思っています。

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新VDP:
初代のはバンドごとにコイルを用意して大変だったので、2個のコイルで7〜50MHz
(50MHzはコイル無しフルサイズ)に対応するように改訂しました。
残念ながらイベントでの頒布が中心となり、サイト頒布は少量になってしまいました。
Pocke ELETATOR、Pocke TATORV
仰角制御付きの衛星追尾簡易型ローテーターです。
3年来開発途中になっていたものを大幅に見直してやっと頒布までこぎつけました。
これの仕上げに大部分の時間を割いてしまって、それ以外がおろそかになってしまった感があります。

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PockeCase705:
元々、1.2と2.4GHzトランスバーター用として昨年末に導入したIC-705でしたが、そのまま
だと何となく傷がつかないか心配なのと、足がないと見にくいので、スタンドを作り、
ケースを作ってみました。
最初は無難なダークグレイで作ったのですが、Xでつぶやいたら色々なカラバリ要望がでて
イエロー、レッド、グリーン、ライトブルー、ブルー、ダークブルー、ライトグレー等
多くのカラバリで収拾がつかなくなってしまいました。
しかし、お陰様で一月足らずで50台以上のご注文をいただき、その後も順調にオーダーを
いただいて大変うれしい悲鳴をあげてました。
ELETATORもこのケースも3Dプリントするのに時間がかかるのでプリンタを増設し、今では
4台の3Dプリンタで製作しています。

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430MHz 13エレ ヤギウダ、13エレ改造キット:
ELETATORが動き始めたころ、衛星の世界では中高度のグリーンキューブなるものが人気に
なっていました。
この衛星だと、北アフリカから欧州、豪州、北米、中米くらいまでがエリアとなっていて
衛星通信でDXができると、当局もやり始めたのですが、実力的には8エレでも問題ないものの
欧州、北米で参加局がとても多く、弱肉強食となり、もう少しゲインのあるアンテナが欲しくなり、
いつもお世話になっている、JK1LSE OM殿にお願いして8エレの13エレ改造バージョンと、13エレを
設計してもらいました。
当局は、この13エレを水平と、垂直の2面使用でELETATORを使った自動追尾でグリーンキューブを
楽しまさせていただきました。
残念なことは、グリーンキューブの調子がおかしくなり、ついには通信できなくなってしまった
ことです。

ANT0713.JPG

<コンテスト>
コンテストには、基本的に参加していないのですが、今年もQRPコンテストだけは参加しました。
50MHz自作部門です。
一昨年、昨年と参加さえていただき、QSO数はわずかながら部門優勝させていただいており、
今年も優勝目指して参加しました。結果はまだですが、残念ながら昨年よりポイントは減りました。
<POTA>
POTAそのものは、最初それほど興味があったわけではないのですが、追っかけだけでも数局で
アワードが送ってきたりするので、少しだけ追っかけをやってました。
11月に開催されたQRPクラブの全国集会が那須高原で、いくつかの登録公園での運用が可能ということで
初めて2ヵ所ACTさせていただきました。
その翌週に常置場所である佐賀に帰ったので徒歩50mのところにある佐賀城公園で3か所目のACTをさせていただきました。
あとで調べたら、佐賀城公園は、これまで4回くらいしかACTされてないみたいで、佐賀のアクティビティは相変わらず低いみたいです。

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AKCメンバーの7L4WVUさんは、もの凄い勢いでACTされ、今年は世界で第2位 512ヵ所(確か?)をACTされており、遠く足元にも及びませんが新しいトライができたことは良かったかな!?と思っています。

<自作 途上のもの>
WE-417(Higm三極管)を使用した200mWステレオアンプ;
アンプ部の部品はグリッド抵抗と、カソード抵抗、パスコン、出力トランスのみというシンプル構成。
最近のデジタル出力はレベルが高いのでこれで十分スピーカーを駆動し、サブシステムとして活用しています。
新アンテナアナライザー:
初代からもう4,5年経過し、次はないのかと何年もご要望いただいていながら放置していたものですが、430MHzも簡易的に見れて、カラー液晶を使ったものを試作しました。
新VDPの測定で活用し、もう少しで完成だったのですが、PCのトラブルですべてのソフトが消滅。
モチベーションが落ちまくり、完成挫折。


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HZBデジタルジェネレータTRX:
かなり以前よりお世話になっているJF3HZBさんがESP32を使用したデジタルジェネレータを開発され、それを使用してTRXを作ろうと始めたものです。
形からということで、前面パネルを3Dプリンタで作って始めましたが、お魔のところ受信部まで(汗;

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円筒型パドル群:
ふとしたことから、円筒型のパドルを作ってみました。
3Dプリンタは円筒形のプリントはばらつきがなくプリントが安定することも手伝っています。
やり始めたら、縦振りも作りたくなってとか、小型にしたりとか、足パドル用のベルトも作ったりとか、色々なバリエーションを作りました。

IMG_5709.jpg

新新VDP:
今年、新VDPを作ってそれほど台数作ってないのですが、7L4WVUさんが使用されているロッド(旗ロッド)が気になっていて、2.5mものを入手したので、28MHzフルサイズができるかと作ってみました。
いつもネックになるのがコイル巻きなのですが、今回は一つのコイルでタップを使用する方法で7〜50MHzの対応としました。(28,50MHzはフルサイズ)
QRPクラブ全国集会、常置場所(佐賀)運用で実使用して問題点の洗い出しを行いました。
佐賀からは、21MHz 5Wで南米、欧州と飛びは悪くなさそうでした。
全体がロッドアンテナなので接続作業なしとしましたが、ハンドキャリーだと持ち運びに不便でしたので、最終的には3分割として、各ブロック40cm以下になるようにしました。
最終的な詰めはこれからです。

IMG_5824.JPG

新アンテナアナライザー:
カラー液晶を使った新型ですが、プログラムが飛んで落ち込んでいましたが、思い立ってやり直すことにしました。
新VDPの測定に実際に外で使ってみると、カラー液晶はほとんど見えません.nanoVNAも同様に外ではほとんど見えず、実使用にはつらいものがあります。

一方7L4WVUさん頒布のアナライザーは、1.54"のOLEDで外でもそこそこ見えるし実用的です。
後追いになりますが、2"超のOLEDであることが分かったので、これを使ってソフトの再設計を始めました。
解像度は128x64と変わらないので、表示は荒いのですが、当局のような老眼の年寄には見やすくて、外でも見えるし、今のとことはOKです。
画面サイズが、これまでの本体サイズと同じくらいなので基板の設計やり直しですが、一応430MHの簡易測定も入れたものを来年には完成させたいと思ってます。

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新705ケース:
パドルもそうですが、新年を迎えるとその年のバージョンを作りたくなります。
IC-705のケースも、プリンタの造形サイズの制限から、分割型となっていましたが、今年250mmサイズでプリント可能な中型機を導入し、分割なくプリントできる環境ができたので設計しなおして、シンプル構造としました。
また、キャリーハンドルもつけ、フルフェイスのカバーも作ってみました。
現在、細かい詰め作業中です。

IMG_6140.JPG IMG_6204.JPG 

その他:
何せ気が多いので、気になったら気持ちがそっちに行ってしまい、取り合えずやってみるのですが、うまくいかなかったり、途中で飽きてしまったり、形にならないものも沢山あります。
針供養ではないですが、基板供養が必要かも(汗;
新新VDPの片割れを使用したマルチバンド短縮ホイップとか、マルチバンドEFHWとかテストベースで試しているものもあります。


趣味的には、無線とパソコンとオーディオと楽器ををくるくる回っているのですが(最近はパソコンは単なる道具化)、大阪時代に少しかじってたマイコンシンセサイザーの面白い記事を最近見つけてしまって、来年はそちらに走ってしまうかもという気配もあります。
ともかく、今年はここまで!
皆さんのご支援、ご要望、励ましをいただきながら、今年も無事終わりを迎えることができました。
来る来年もよろしくお願いいたします。

※8時くらいから書き始めたブログももうこの時間になってしまいました。
 写真のアップが足りませんがこのままだと来年になってしまいますので、ここまで!
 これが今年のすべてだったかな!?




posted by ja6irk at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2024年04月13日

新VDP 検討U

IMG_4770.JPGFT8運用中の設置状況

いまだ検討中の新VDP(Pocke VDPU)ですが、調整マニュアル通りにやったら調整できるか? 最近のリグに搭載されているVSWRスキャン機能だけで調整できるのか?を検討してみました。
ついでに飛ぶのか?も!
現行モデルは、各バンド、基本としてロッドアンテナを最長から1段縮めれば、なんとかバンド内のどこかになるようにしています。
しかし、今回のモデルは、コイルの位置を変えて、少ないコイル(今回ベースは2個)で各バンドに共振さえるようにしているため、バンド毎にロッドアンテナの調整長さがかなり違ってきます。
調整の考え方として、バンド毎に、コイルの位置と、ロッドアンテナを何段縮めて、そこから何cm縮めるか!という調整方法としています。
この方法で調整できるのか?
また、調整ツールとして、nanoVNAやアンテナアナライザーがあればよいのですが、最近のリグに搭載されているVSWRスキャン機能だけで調整できるのかを、確認しました。

(1) 50MHz
@ 調整:ロッドを11段縮める(コイル無し、50MHzジョイントで接続)
A 共振:50.74MHz
IMG_4735.jpg  IMG_4736.jpg

B 結論:フルサイズなので帯域も広く問題なし

(2) 7MHz
@ 調整:ロッドを2段縮める(コイル位置@)
    (周波数変化量:約10KHz/cm)
A 共振:7.06MH
IMG_4738.jpg  IMG_4737.jpg
B 結論:ロッドを2段縮めることにより帯域内で共振し、目的の周波数には容易に調整可。
     リグのVSWRスキャンでも共振点を認識可

(3) 10MHz
@ 調整:ロッドを3段縮め、更に-1.5cm(コイル位置C)
    (周波数変化量:約50KHz/cm)
A 共振:10.14MHz
IMG_4772.jpgロッド3段縮めのみの状態

IMG_4773.jpgロッド3段縮めに-0.5cmとした状態

IMG_4774.jpgロッド3段縮めと-1cmとした状態

IMG_4740.jpg  IMG_4739.jpg
B 結論:ロッド3段のみの縮めでは、共振点10.7MHzでリグのVSWRスキャンでは共振点を認識できない。更に0.5cm、1cm縮めることで共振点がバンド下側にあることが認識できた。
更に-1.5cmで10.14に共振。

(4) 14MHz
@ 調整:ロッド1段縮め、更に-3cm(コイル位置@)
    (周波数変化量:約20KHz/cm)
A 共振:
IMG_4741.jpg ロッド1段縮めのみの状態

IMG_4743.jpg  IMG_4742.jpg
B 結論:ロッド1段のみの縮めでバンド下端側に共振があるのがリグでも確認可、更に-3cmで想定通りの共振周波数に共振点の移動が確認された。

(5) 18MHz
@ 調整:ロッド5段縮め、更に-1cm(コイル位置B)
    (周波数変化量:約80KHz/cm)
A 共振:
IMG_4744.jpgロッド5段縮めのみの状態

IMG_4746.jpg  IMG_4745.jpg
B 結論:ロッド5段のみの縮めでバンド下端側に共振があるのがリグでも確認可、更に-1cmで想定通りの共振周波数に共振点の移動が確認された。

(6) 21MHz
@ 調整:ロッド5段縮め、更に-1cm(コイル位置C)
    (周波数変化量:約120KHz/cm)
A 共振:
IMG_4758.jpgロッド5段縮めのみの状態
IMG_4763.jpg  IMG_4760.jpg
結論:ロッド5段のみの縮めでバンド下端側に共振があるのがリグでも確認可、更に-1cmで想定通りの共振周波数に共振点の移動が確認された。

(7) 24MHz
@ 調整:ロッド8段縮め、更に-4.5cm(コイル位置C)
    (周波数変化量:約220KHz/cm)
A 共振:
IMG_4778.jpgロッド8段のみ縮めた状態

IMG_4780.jpgロッド8段縮めに-3cmとした状態

IMG_4756.jpg  IMG_4757.jpg
B 結論:-4.5cmで想定通りの共振周波数に共振点の移動が確認された。バンド幅が狭く、調整はシビア。

(9) 28MHz
@ 調整:ロッド10段縮め、更に-2cm(コイル位置C)
    (周波数変化量:約320KHz/cm)
A 共振:
IMG_4783.jpgロッド10段縮めた状態

IMG_4785.jpgロッド10段縮めに-2cmとした状態

IMG_4786.jpgロッド10段縮めに-2.25cmとした状態(2回目)

IMG_4753.jpg  IMG_4751.jpg
B 結論:-2cm(2回目の確認では-2.25cm)で想定通りの共振周波数に共振点の移動が確認された。長さに対する周波数変化量が約360KHzと大きいため調整はシビア。

※総括:
 @ フルサイズの50MHzを除き、周波数が高くなるにつれて、
   長さ(1cm)当たりの周波数変化量が大きくなり、調整は
シビアになる。
  (特にバンド幅の狭い24MHzは2.5mm単位での調整が必要)
 A 各バンドでのロッド縮め段数のみで、共振点の傾向が見れる
   バンドもあるが、それのみでは不明のバンドもある。
   よって、調整に記された長さにセットし、共振点の位置を
   認識し、微調整をすることで、リグのVSWRスキャン機能
   のみでも、最適点への調整は可能と思われる。

<電波の飛び>
調整されたこのアンテナでどのくらい飛びの実力があるのか、FT8での運用でテストしてみました。
コンディション状況で違いはあると思いますが、7MHz、14MHz、28MHzの夕方から夜にかけてのテスト結果を示します。C 21MHzは翌日昼間。
@ 7MHz:アメリカ、エクアドル、チリ、オーストラリア
A 14MHz:アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、ニュージーランド、中国
B 28MHz:イタリア、ウクライナ、セルビア
C 21MHz:アメリカ、エクアドル、インド 
出力は50Wです。
短縮率の大きい7MHzにおいてもよく飛んでいるな!という印象でした。
コンディションがいいのも手伝っていると思います。

<耐電力の考え方>
現行モデルは、FT8で10Wしか推奨していません。
今回も、仕様としては同様と考えています。

ローバンドは短縮率が高くなり、その分、投入された電力はコイルで熱となって消費されます。
現行モデルでの50Wでのテストでは、発熱がひどくコイルボビンが溶けて折れてしまいました。
しかし、今回のモデルは、短縮率は少しですが減らしたこと、7/10MHzコイルボビンにはグラスファイバー製を使用したこと(14MHz以上は樹脂製ボビンだがスペース巻き)、コイル線材を0.5mmから0.8mmにアップ、更にコイル挿入位置をボトムに近づけることでインダクタンスを減らし、結果として線長が短くなり、直流抵抗が下がることでのロスの低減?で、耐電力は上がっていると期待してのテスト運用も兼ねて、50W運用テストとしてみました。
その結果は、短時間の運用なら使えるかな!?という印象です。
7MHzにおいては、50W送信においてコイルの発熱は、触って暖かい程度です。
(夏場なら結構熱くなるかもしれません)
送信時のVSWRは、若干ですが変化します。送信をやめて時間をおいてコイルの温度が下がると、VSWRは元の値に戻っています。
送信時、コイルの温度が上昇し、線材が伸びることによって共振点が移動しているものと推定しています。
現行モデルのようにコイルボビンが溶けて折れてしまうような破綻はありませんでした。
しかし、状況によっては何が起きるか!?の想定はできませんので50Wでの運用は推奨できません。
とりあえず使えるからと、珍局を長時間呼び続けるというようなことは、論外です。
アンテナに異常が発生しリグを壊してしまう可能性さえあります。
あくまでも、気軽に10W以下程度での移動運用用のお手軽アンテナであることを理解して使用することが必要だと思います。
もしテンポラリーに50Wで使用されるときは、送信時のVSWRを監視し、急激な変化が起きてないかどうかを見ながら行ってください。これによるリグの故障、アンテナの故障の保証はできません。
自己責任で使用する必要があると思います。


posted by ja6irk at 12:57| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2024年04月08日

新VDPの検討 追加(4/9)

IMG_4694.JPG コイル位置 @

今日は、台風のような雨風でしたが、夕方になり雨も止んだので昨日の続きで気になっていたことを追加で検討しました。下側に追加しています。(4月9日)

昨年11月のQRPクラブ伊豆全国集会にプロト機を製作し、運用テストを行った新VDPですが、諸般の事情で完成が遅れていました。

http://jn3xby.sblo.jp/article/190659087.html

そうした時間経過の中で、バンド毎に短縮コイルを作るのではなく、コイルを挿入する位置で多バンドにコイルが共有化できるのではないかと思い、簡単なテストを行って好結果が得られました。
その結果をもとに、各バンド毎のパラメータの決定と、性能の測定を実施しましたので、備忘録を兼ねて纏めました。
これまでのVDPは、50MHzでフルサイズを前提に、短縮コイルを挿入してマルチバンド(7〜28MHz)に対応していました。50MHzフルサイズだとコンパクトではあるのですが、片側1.4m程度の長さしかなく、7MHzにおいては大きな短縮率となっています。
一方、市販のメーカー製のものは、片側2m前後のものが多くなっています。この0.6mの差がどの程度の飛びに効果があるのかは?なところもありますが、少しでも長い方がいいだろうという期待もあり、今回は片側2m弱のエレメント長で作ることにしました。
基本的な考え方は、現行VDPで製作した約30cmのエレメントを基本として、これらを繋げることで主エレメントとし、先端部はロッドアンテナを使用してバンド毎のエレメント長の調整を行って、各バンドに共振させます。
現行は、基本エレメントが片側2本で、ロッドアンテナ長が約85cmあるので、合計で何とか50MHzでフルサイズとなる長さとなります。
基本エレメント長を約30cmとしたのは、移動時にリュックに入るサイズにしたかったのと、クリックポストで送れるサイズにしたかったからです。
今回は、この基本エレメントを片側4本使用し、ロッドアンテナと組み合わせて最長約2mを実現しています。
勿論、この本数を増やせばもっと長くできますが、強度と軽さ、長さでの取り扱い易さも考え、市販の多くが採用している程度の長さとしました。
今回の最大の特徴は、先述のように短縮コイルの共用化を図ったことです。
基本エレメントを4本使用しているということは、コイルの挿入位置を片側5か所の中から選べます。
(給電部の付け根は構造的にややこしいので実質4か所)
ということは、この場所を変えれば1個のコイルで多バンドに対応できるのではないかと考え、軽く検討してみて良かったので採用しました。
バンド毎に指向性とかの性能は変わってくると思いますが、コイルの数を減らせるというところを重視しました。
出来上がって、測定した結果は以下の通りです。

IMG_4703.jpg コイル L 
周波数        7.06MHz
エレメント長(片側)    1.925m
コイル位置      @
周波数変動(Hz/cm)  10KHz
VSWR1.5以下帯域幅 20KHz
VSWR2.0以下帯域幅 30KHz

IMG_4704.jpg コイル L
周波数        10.13MHz
エレメント長(片側)    1.865m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  50KHz
VSWR1.5以下帯域幅 20KHz
VSWR2.0以下帯域幅 40KHz

IMG_4705.jpg コイル L
周波数        14.08MHz
エレメント長(片側)    1.405m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  120KHz
VSWR1.5以下帯域幅 30KHz
VSWR2.0以下帯域幅 60KHz

IMG_4706.jpg コイル M
周波数        14.06MHz
エレメント長(片側)    1.96m
コイル位置      @
周波数変動(Hz/cm)  20KHz
VSWR1.5以下帯域幅 40KHz
VSWR2.0以下帯域幅 80KHz 

IMG_4707.jpg コイル M
周波数        18.09MHz
エレメント長(片側)    1.75m
コイル位置      B
周波数変動(Hz/cm)  80KHz
VSWR1.5以下帯域幅 90KHz
VSWR2.0以下帯域幅 150KHz

IMG_4708.jpg コイル M
周波数        21.06MHz
エレメント長(片側)    1.74m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  120KHz
VSWR1.5以下帯域幅 100KHz
VSWR2.0以下帯域幅 210KHz

IMG_4710.jpg コイル M(4/9:追加)
周波数        24.94MHz
エレメント長(片側)    1.52m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  270KHz
VSWR1.5以下帯域幅 120KHz
VSWR2.0以下帯域幅 210KHz
            
IMG_4709.jpg コイル H(4/9:追加)
周波数        28.08MHz
エレメント長(片側)    1.41m
コイル位置      @
周波数変動(Hz/cm)  320KHz
VSWR1.5以下帯域幅 130KHz
VSWR2.0以下帯域幅 260KHz

IMG_4708.jpg コイル H
周波数        21.06MHz
エレメント長(片側)    1.74m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  70KHz
VSWR1.5以下帯域幅 150KHz
VSWR2.0以下帯域幅 290KHz 

IMG_4699.jpg コイル H
周波数        24.91MHz
エレメント長(片側)    1.83m
コイル位置      B
周波数変動(Hz/cm)  100KHz
VSWR1.5以下帯域幅 270KHz
VSWR2.0以下帯域幅 490KHz

IMG_4701.jpg  コイル H
周波数        28.09MHz
エレメント長(片側)    1.825m
コイル位置      C
周波数変動(Hz/cm)  150KHz
VSWR1.5以下帯域幅 380KHz
VSWR2.0以下帯域幅 700KHz

IMG_4701.jpg
周波数        50.74MHz
エレメント長(片側)    1.39m
コイル位置      無し
周波数変動(Hz/cm)  170KHz
VSWR1.5以下帯域幅 1.76MHz

結論として、コイルはローバンド用(7/10/14)、ミドルバンド用(14/18/21)、ハイバンド用(21/24/28)の3種類となり、この3つのコイルで(7/10/14/28/21/24/28/50)の8バンドに対応できるようになりました。
また、ローバンド用での14MHzとミドルバンド用での21MHzは、おまけ的な対応となります(エレメント長が短くなる)。
特にローバンド用での14MHzは、エレメント長が約1.4mと、とりあえず1個のコイルで14MHzも出れるという位置づけになります。
測定環境は、オープンスペースとは言えマンションのベランダですので波長に対してすぐそばに壁などがあり、ちょっとアンテナの向きを変えただけでも共振周波数、VSWR値に影響があります。
測定は、極力、同じ向き、同じ高さで実施しました。
各バンドにおけるエレメント長などは、設置環境で変化しますので、参考値となります。
各バンド毎の、ロッドアンテナの長さの調整は、バンド毎に10段あるロッドアンテナを何段縮めるかで、大まかにバンド毎の共振点を設定し、それから更に何cm縮めるかで行います。

IMG_4697.JPG コイル位置 B

IMG_4696.JPG コイル位置 C

重量は、現行機の7MHzコイル搭載時が約420gなのに対し、今回のものは7/10/14対応コイル搭載時で約550gと重くなっていますが、エレメント長が長くなっていることと、全てのコイルを含めても約720gと1Kgを軽く切った軽量なものに仕上がったかと思っております。

なお、測定は開発中の新アンテナアナライザーを使用しました。(ソフトが未完)
ローバンドでは、もっと狭い帯域での測定ができた方がいいな!と実際に使ってみての改良点も見つかりました。

http://jn3xby.sblo.jp/article/190712238.html

昨日(4/8)は日暮れでいったん終了しましたが、その後、少々エレメントは短くなっても、ハイバンドを、コイル Mで実現できないか気になり、風雨がおさまった夕方(4/9)に引き続いての検討を行いました。
結論でいうと、片側エレメント長24MHzで1.52m28MHzで1.41mと短くはなりますが、ハイバンドですので波長に対する短縮率は大きくなく50%レベルですので実用的な差はそれほど大きくはないのではないかと思います。
よって、2つのコイルで8バンドをカバーするようにしたいと考えます。
コイル L:7,10MHz
コイル M:14,18,21,24、28MHz
コイル無し:50MHz






posted by ja6irk at 19:50| Comment(3) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2024年01月23日

mini Paddle 2024年版

IMG_4185.JPG
2024年版 Pocke Paddle mini

IMG_4184.JPG
2024年版 Pocke Paddle Slide

【注】セキュリティの関係か、Microsoft Edge、Google Chromeでは、サムネイル画面(小さい写真)の拡大表示ができないようです。
アドレスバーに表示されているURLのhttps://〜をhttp://〜にする ことで表示される場合もあります。

大阪にいた5年ほど前に、頒布品としてスライド収納可能な小型・軽量パドル「Pocke Paddle」を製作し、それ以来、改良を加えながらバリエーションを増やしてきました。

IMG_4181.JPG
手前から、初代、二代目、今回
なぜか2023年現行モデルが手元にありません。
(北海道ハムフェアでデモ機も頒布してしまったからか?)

一昨年、基板タイプの気楽な「Paddle mini」を製作し、昨年は性能改善した2023年版、ちょっと本格的にベアリング、アクリルパドル部を採用した「Paddle S」も製作しました。

IMG_4179.JPG
手前から、初代、二代目(2023)、今回

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ダブルベアリング採用のPocke Paddle S

新年になりましたので、2005年くらいから色々やってきた過去の経験も活かして、2024年版のプロトタイプを製作してみました。
2024年版の最大の特徴は、
軸受けの上下ガタなし
軸受け調整なし、です。
これによって、軸受け部のガタ調整のバラツキによる操作フィーリングのバラツキを抑えることができます。また、
パドルの反発力の調整もできるようにしました

2000円で頒布させていただいている廉価版でさえも、反発力調整できないの?という要望が意外と多かったからです。
今回の軸受けの構造は、ガラエポ基板です。
当局が開局した当時も金鋸の刃を用いたパドルが自作されていました。時代が変わってガラエポ基板を加工してパドルを自作される方も見られました。
どちらも真似して作ってみたことはあるのですが、全体がしなるのと、比較的反発力が大きすぎて当局的には使えるものではありませんでした。

http://jn3xby.sblo.jp/article/43821918.html
こんなものも作ったりしてました。
たわみ防止にリブを接着しています。

初代収納型「Pocke Paddle」は、軸受け構造として0.3mmのリン青銅板を使用しています。軸ガタはありません。反発力は、リン青銅板が支配的です。
フィーリングは良かったのですが、手加工なので非常に作りにくいのとコスト的にもかかるので少量で次のモデルに移行してます。

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初代収納型内部

収納型ニーズは大きくなんとかできないかと製作した「Pocke Paddle V」は、リン青銅板の代わりに3Dプリンタでバネ部を作り同様機能を実現しました。
しかし、これもプリント厚のバラツキがあり、フィーリング調整のためにバネ部をやすりで削って調整していました。

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作り易くはなったが!調整が!

2022年に、上下をイモネジで抑えて回転させる軸受け構造の基板タイプの「Pocke Paddle mini」を製作し、6角レンチで調整できるようにしました。

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これも、2023年版では調整性を改善し、だいぶ良くなりました。調整を詰めれば高級品とそう変わらないところまで追い込めます。
この構造は、収納型にも共通的に使用できるようにしました。

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そして2024年版は、やはり、軸受けの調整をなくして調整によるバラツキを抑えたい、当然軸ガタもなくしたい、反発力の調整もできるようにしたい、と軸受け構造を大幅に見直し、変更しました。
基本構造は、リン青銅板やガラエポと同じです。これにより軸ガタは抑えられます。
しかし、反発力はできるだけ小さくなるようにし、磁石の反発力を支配的にして、磁石間距離を加減できるようにして反発力調整可能としました。
過去に経験したたわみは、可動部を小さくすること、パドル軸部に3Dプリンタ部品で補強することで防止する構造としました。

ガラエポ基板で製作した、新軸受け構造です。
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パドル基本構造に組立てた状態です。
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今回は、昨年の「Pocke Paddle S」で好評だった肉厚(3mm)のアクリル製のパドル部も搭載したものも検討しました。

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Paddle mini とPaddle Slide アクリルパドル版

3Dプリンタ版とアクリル版パドル部のフィーリングですが、軸受け部等パドル以外の基本構造が同じにもかかわらず、感覚的には違いを感じています。
3Dプリント版が少し柔らかい感じ、アクリル版は少しカチッとした感じです。
人によっては違うかもしれませんが。

これで、miniとSlideが2品種ずつになりましたが、眺めていたら人気の「Paddle S」のミニ版ができそうな気がして作ってみました。

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現行「Pocke Paddle S」との比較

ベアリングは使用していませんが、パドル部のアクリルは同じものを使用しています。

更に、これを持ち歩いた時にパドル部を保護できる構造ができないかと、開閉式のカバーをつけてみました。

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カバー側に磁石をつけたので、開いた時に磁石間距離が広がり操作時さらに動きにくくなってます。
パドル部の形状は大きさから収納型と同じものを使用予定。

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カバーを閉じた時

カバーを閉じた時はしっかり保護されるのでバッグの中などで転がしてもパドル部が損傷するようなことはないでしょう。
少しぼってりした感じはありますが。

今回、ベースとなるパドル構造を構築したので、それを展開するのは比較的容易で、色々なタイプを作ってしまいました。
昨年までのminiシリーズは全てこれに入れ替えてゆこうと考えております。

人気のダブルベアリング「Pocke Paddle S」、キーヤー内蔵の「Pocke Paddle Keyer mini」は、一部改訂あるかもしれませんが、今年も継続の予定です。



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2024年01月01日

謹賀新年 2024年

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2023年12月28日

アンテナアナライザー リメイク その後!

【注】セキュリティの関係か、Microsoft Edge、Google Chromeでは、サムネイル画面(小さい写真)の拡大表示ができないようです。
アドレスバーに表示されているURLのhttps://〜をhttp://〜にする ことで表示される場合もあります。

リメイク版のご報告を行ったのが10/17だったのですが、もう今年も終わる時期になってしまいました。
途中何もやっていなかったわけではなく、カラー液晶を載せるようにした基板を発注、その基板をベースに性能確認と少しずつ検討は継続していました。
まずは、カラー液晶の搭載した基板です。

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10月末に到着

通常なら、この基板を組み立てて動作/性能確認をするのですが、プログラムは既に満杯で基本機能さえも詰め込むことができなさそうな状態になっており、もっとプログラムメモリの大きいマイコンで使えるものがないかと検討を始めました。
これまで愛用してきたATMEL ATMega328シリーズでメモリ容量拡大版があればよいのですが、ありません。
最近は、ESP32やRP2040など32bit版が数多く出始めておりメモリ容量もとても大きくなっています。
これらはArduinoIDEでの開発にも対応しており、価格もそこそこ使えそうなレベルです。
問題は、機能的に「帯に短したすきに長し」で、内蔵EEPROMがないとか、これまで使ってきたライブラリが使えないとか、マイコン自体のハードウェア構造に絡むところを別の方法で検討しなければならなくなり、当局の実力で使いこなせるかどうか、不安もありました。
しかし、悩んでいてもしょうがないので、新しく到着した基板はそのまま組むのではなく、マイコンを入れ替えて検討を始めました。
使用するマイコンは、Rasberry Pi Picoに使用されているRP2040を搭載した RP2040-zeroというモジュールにしました。ほぼ切手サイズの基板にI/FとしてUSB-Cコネクタが搭載されています。プログラムの書き込みにライターは必要ありません。デバッグ用にシリアル通信もできます。

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問題は、内蔵EEPROM搭載されていないこと、実際に動かしてみてこれまで使っていたタイマー割り込みライブラリーが使えないことが、一番大きなものでした。
このチップは比較的新しいため、また特にArduinoIDEでの使用事例が少なく難儀しましたが、結果として、サイト検索で代わりになるものを探し、一つずつ動かしてて試してみながら、使えそうなレベルのものが決まりました。
検討基板として、10月末に到着した基板に変換基板を手配線で製作し、ATMega328の代わりに動かせる状態として基板の動作性能確認、プログラムの開発を始めました。

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ATMega328の端子に接続できる変換基板搭載

プログラムの移植をやり続けて、やっとのことで10月のリメイク報告時点と同じレベルまで仕上げることができました。

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ここまで仕上げての驚きは、プログラムメモリの使用量です。ATMega328の時、99%以上だったのが、何と4%しか使用していません。
そうなると、他にもいろいろな機能の追加をしたくなります。
当局的には、これまでのアナライザーで色々なアンテナの製作をやってきましたが、欲しい機能もいくつかあり、これらを搭載できないかと検討を始めました。

まずは、カーソル機能です。
測定したVSWRグラフにおいて、例えばVSWR2.0以下の周波数範囲がどうなっているのか?ということなど測定値の確認ができるようになります。

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右側のロータリーエンコーダを回すことによって青色のカーソルが左右に移動し、カーソル位置での周波数とVSWR値が表示されます。

次は、画面メモリー機能です。
実際に屋外で測定調整を繰り返している時には、パラメーターを変えていくつもの測定を行いますが、後で使いたいデータは写真を撮るしか方法がありませんでした。
そこで欲しいのが画面メモリー機能です。
苦労したのは、一画面あたりのメモリー量です。一画面100点以上のデータとなるので、単純記録にすると一画面800byteほどになり、ソフトウェアで実現しているEEPROM機能が2Kbyteしかないので2枚しか記録できません。
結果として、データの圧縮と表示の間引きを組み合わせてなんとか画面10枚分の記録が可能となりました。

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SAVE画面で、右側のロータリーエンコーダーを回して記録する画面番号選択し記録させます。

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CALL画面で、同様に右側ノロータリーエンコーダーを回して呼び出す画面番号を選択し、表示させます。

3番目が、画面データのパソコンへの転送です。
マイコンモジュールにUSB-C端子がついて、シリアル通信も可能なので、周波数データとVSWRデータを送信するのは比較的簡単にできると思ったのですが、問題は、パソコン側のソフトです。
これまでパソコン側のソフトはローテーター用の衛星位置情報データの転送プログラムしか作ったことがなく、パソコン側でどのようにグラフ化するかなど悩みは尽きませんでした。
どの言語が一番つくり易いのかなどサイト検索し、最近話題のPythonを使ってみることにしました。
勿論これまで一度も使ったことがありません。
ただ色々なライブラリーがありそれを組み合わせれば!とやってみました。
まずシリアル通信データの読み込みです。数行でできました。
次に、グラフ表示です。これもグラフ化ライブラリーを使って10行ほどでできました。
と言っても、検索サイトの事例ではやりたいことがそのままできるわけではなく、そのためにはライブラリーのコマンドなど使い方を知る必要があるのですが、意外とそうしたサイトはあまり見つかりません。
事例から、あ〜でもないこ〜でもないと試しながら試行錯誤しなんとか、目的の表示ができるようになりました。

Figure_1.png

これでめでたしめでたしかというと、残念ながらそうではなく、このアプリはこれを作ったパソコンでしか動作しません。おなじPython環境をインストールしたパソコンでしか動かないのです。
どのパソコンでも動くようにできる配布形式のアプリに変換が必要なのですが、これも意外と情報が少ないのです。
あっても、それをやってもエラーが出ます。別のをやっても別のエラーが出ます。エラーの対策なども記載されていたりするのですが、それでも別のエラーが出ます。
何をやってもうまく行かないので、本を入手することにしました。
専門書も売っている近所の本屋に行き、棚にあったPython関連の本を端から端まで30冊ほど目を通し、配布形式について記載された本は4冊ほどしかなく、それはいずれも訳本、そこに記載されている内容を見ても、どうもはPythonは配布形式で配布するのは向いていないようにも思えました(そうした記載があるのも)。
記載ページは、1,2ページか数ページ程度。その中で一番高かったのですが記載ページの一番多い本を買ってきました。訳本です。

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購入した本です。

結論から言うとまだ配布形式に変換できていません。
この本に記載されている内容を実行してもエラーが出ます。そのエラーを検索して対策してもエラーがなくなりません。暗礁に乗り上げた状態のままです。
難しいアプリではなく、データを受信してグラフ化するだけなのですが、アプリ本体ではなくPythonの使い方の問題です。知らない使ったことがないものにチャレンジして深みにはまっているという状態です。
時間が解決してくれればいいのですが。

RP2040を搭載する基板は、10月入手のものを改訂して、先日入手できました。まだ組立は行っていません。もしかしたら、マイコン変更の修正で間違いがあるかもしれません。
ソフトの方も、やりたい基本機能が動き始めただけなので実動作品としてはまだまだ詰めが必要です。

IMG_3954.JPG  IMG_3955.JPG
表 左:新基板 右:旧基板   裏

以上、今年年初に何とか今年完成させたいと思っていた一つであるアンテナアナライザーのリメイクですが、残念ながら完成までは到達できませんでした。
来年の早い時期に完成させたいと思ってます。








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2023年12月18日

IC-705 軽量ジャケット

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先日、IC-705用の外部キーパッド、それに組み合わせるエレキーパドルを試作しましたが、その後じっと眺めていたら、本体全体を覆うケースができないかな?!と思い始めました。
サイトでは、金属で作成された格好いいケースが販売されているのが散見されていました。
あらためて検索すると、いくつかあって、一番目にするのはWINDCAMPのものです。おそらく、アルミの削りもので作られており非常にしっかりしています。しかし、値段は結構高いです。
出所は同じではないと記載されていますが、それらを研究して作られた某〇Qオームさんからも販売されるようです。しかし、値段はさらに高くなっています。重量も、530gとなっています。
非常に参考になり、ヘビーデューティとしては良いものの、当局的には、せっかくコンパクトで軽量である本体がもったいなく思えてきました。
もっとスリムで、軽量な物が作れないかと検討してみました。もちろん、3Dプリンタを使用してです。
残念ながら、当局保有の3Dプリンタでは、IC-705本体を覆うような大きさのものは製作できません。
分割しての組み合わせになります。
一方で、日本サイトではほとんど見かけませんが、3Dプリンタのサンプルサイトにはきっとあるだろうと思って探してみました。
やはりあります。ケースやスタンドなど多くが投稿されています。
https://www.yeggi.com/q/icom+ic+705/
残念ながら、一体で出力されているものが殆どで、そのまま使えるものは見つけられなかったのと、今一つスリムでないものばかりなので、これらを参考に、自分で作ってみることにしました。
ICOMのサイトには、カスタムパーツの製作が可能なように、IC-705本体の3Dデータが公開されていますが、それをどう活用できるのかよくわかっていないため、現物をノギスで計測しながら試行錯誤で作ってみました。
それでとりあえず出来あがったのが上記の写真のものです。

試作に当たり、考えたコンセプトは以下の通りです。
1) 3Dプリンタで製作
2) 本体ごと落下させて壊れないものではなく、本体の傷防止などが目的
3) 本体にできるだけフィットしたスリムな物
4) できるだけ軽量
5) 接続端子、電池交換には影響しない
6) 本体のネジ穴は使用しない
7) できるだけ格好良いもの

試行錯誤はありましたが、何とか使えそうなものが出来上がりました。

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試行錯誤の残骸

出来上がったもの
1) 重量:約113g
2) パーツ数:10(ネジ除く)
3) プリント時間:約14時間

プリント時間が14時間と全部品を作るとなると時間がかかりますが、まずは満足いくものができたと喜んでいます。
先日作ったスタンドともうまくマッチしています。
外部キーパッドとのI/Fはもう一度やり直しになりますが。

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横から見た様子

IMG_3920.JPG   IMG_3922.JPG
上からと下から(下側はスタンド取付あり)

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本体込重量(約1.293Kg)

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ケースのみ重量(約113g)

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ケースのみ外観

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左右ハンドルを取り外した時

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2023年12月10日

IC-705 スタンド&外部キーパッド

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いつもお世話になっているOMさんに、IC-705の周辺であったら便利なものって何ですか?と、お聞きしたら、本体のスタンドは欲しいね!と言われました。
確かに、本体だけだと机上に置いたらベタっとなってしまって使いにくいです。
ICOMさんから、純正のスタンドも販売されているようなので、必要な物なのかもしれません。
そうなると、作ってみたくなり、固定方法など調べてみると、底に雲台用のインチネジ穴と、4mmのネジ穴が4つ空いています。
更に、サイト検索するとこの雲台用のネジを使った、カメラ用のZ型雲台をスタンドの代わりに使用されている方も多いようです。
しかし、どちらも結構いい値段するので、いつものように3Dプリンタで作ってみました。

本体後方の底面が斜めになっており、これが水平になるようにスタンドの高さを決めました。
結構いい感じで、座ってくれてます。
また、持ち運びなどではスタンドが立っていると邪魔なので、折りたためるようにしました。

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折りたたんでも出っ張ってはいるのですが、立てたままよりだいぶましです。
これで、一次試作は終わりなのですが、スタンドをつけてみていると、底面の隙間に外部キーパッドが付けられるのではないかと思い始めました。
外部キーパッドは、CWのメッセージメモリーやボイスメモリーを8ch分メモリーして呼び出すことができる機能を一発で呼び出せるようにした外部スイッチです。
本体でも呼び出せるのですが、メニューを開いて呼び出さないといけないので、実運用上は手間がかかります。
取扱説明書には、回路図が載っており(スイッチと抵抗だけですが)、自分で用意するように記載されています。
確かに、タカチのケースなどで自作され使われておられる方も時々見かけます。
ただ別体型になるので、場所も取りますし、接続のリード線も邪魔になります。
そこでスタンドに固定できるようにすれば本体の底面になるので邪魔になりませんし、接続のリード線も全面には出てきません。
出来上がったのが、下の写真です。

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パドルや電鍵用のミニジャックも搭載し、前面から接続できるようにしました。
これで8ch分のCWやボイスメッセージが一発でダイレクトに呼び出せます。

またまた眺めていると、このミニジャックにパドルがドッキング出来ないかと検討してみました。
それでできたパドルが下の写真です。ほとんどの構造は、これまでに作ったPocke Paddle Keyer miniを流用しました。

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実際にドッキングした様子が、下の写真です。

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これではパドル部の高さが低すぎてとても使いにくいことがわかり、スタンドの高さを検討してパドル位置を高くしてみました。

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丁度いい感じの高さになりました。本体のスラントもいい感じです。

この外部キーパッドは、簡単に取り外せるようにしました。これ用のスタンドも折りたたみ式です。
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思いついて試作してみましたが、案外いい感じのものができたと喜んでいます。






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2023年12月04日

QPM-01の無電源化

Xで呟きましたが、JL1VNQ ぶんきゅうさんが頒布されている、QRP用デジタル通過型電力・VSWR計の無電源化ができないかやってみました。
この電力・VSWR計は小型で消費電流も少なくコイン電池(CR2032)で動作するようになっています。
一方、今年のハムフェアで、同じAKCメンバーであるJM1VQBさんが、BlinkySWR(電源不要SWR/パワーメータ)キットを頒布され無電源であることに興味を持ち、QPM-01に適用すればうまくいくのかとずっと思っていました。
やっと試してみて、それなりに動作しましたので備忘録として纏めました(内容は希薄ですが)。
条件としては、本体の回路やソフトを変えずにやれる方法を検討しました。

<回路図>
無電源SWR計.BMP

<実装写真>
IMG_3815.jpg 

IMG_3812.JPG 10W時

IMG_3813.JPG 0.4W時

IMG_3814.JPG 5W時

<結果>
小出力から、QMP-01の測定範囲である10Wまで、電池動作時と同じ明るさで測定表示できることが確認できました。
当然のことですが、送信機からの出力がなくなれば同時に表示は消えます。
なんとなく不自由な感じがしますが、元々、出力がなくなれば表示はあるものの、出力やVSWRの表示はされていません。またアナログメーターでの装置でも出力がなくなれば、メーターの振れはなくなりますので、動作としてはこれでよいのではないかと思いました。

出力が大きいと、整流電圧が大きくなりすぎるので、ツエナーダイオードで電圧制限しています。
回路図上30Vのものが入っていますが、20V〜30Vで問題ないかと思います(未確認ですが)

挿入損失は、この整流回路があるものとないものでは、約8%の電力ロスが発生していました。
移動運用などで、VSWR確認用として使用して、運用時は外してしまえばよいかと思います。

<注意>
手軽に実装できるのでやって見られたら良いかと思いますが、あくまでも自己責任でお願いいたします。
実装・使用によって発生した、故障等一切の障害も責任持てません。
QMP-01の頒布者であるJL1VNQさんへの質問などはなされないようにお願いします。


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