2023年01月22日

Pocke VDPの試作!

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昨年11月、12月頃に短縮コイル入替型のV型ダイポールの試作をしていました。
ベランダや、移動運用でよく使用されるアンテナは垂直型が多いですが、ラジアルやアースの取り方で性能は著しく変化し、調整の苦労もそれなりにあります。
これに対してダイポール型の場合アースの問題はだいぶクリヤされるのではないかと、収納時はコンパクトに、軽量で持ち運びにも便利なアンテナをと製作してみました。
7MHzだと相当な短縮率になるのですが、実際にQRP(5W)で使用してみても、7MHzで国内はほぼ問題なくQSOが可能でした。DXも近隣(中国、台湾)はOKでした。
21MHzではコンディションも手伝ってか、QRP(5W)で南米(アルゼンチン、ウルグアイ)とQSOできました。
いずれもFT8ですが。
この様子は、時々Twitterで呟いていたのですが、試作の内容を纏めないままになっていました。
アンテナでいつも大変お世話になっている JK1LSE OM殿にもテスト使用をお願いしたりしていたのですが、、当局が纏めるより先に LSE OM殿には、BLOGで試用レポートを上げてもらっていました。(是非ご参照ください)

http://honda.way-nifty.com/pocky/2022/12/post-8e12ac.html

当局的にもどこかに纏めたものがないと忘れてしまうので、遅ればせながら備忘録として纏めることにしました。

【目標仕様】
1.50MHz フルサイズ ダイポール(片側約1.5m)
2.HF帯は短縮コイルを入れ替えて各バンド対応(7〜28MHz)
3.エレメント先端部はロッドアンテナとしてバンド毎の
  微調整可能
4.分解時、A4サイズ以内で収納可能
5.マッチングユニットはバンド別プラグイン
6.軽量

短縮ホイップ型も考えましたが、ラジアルやアースなど設置環境でのバラつきを調整で補うことになり、比較的それらの影響の少ないダイポール型で作ることにしました。
とは言え、設置環境で共振点は移動し、7MHz等においては短縮率が大きいためSWR2以下の幅は狭くなり CW、デジタル、Phone等の運用モードによる共振周波数は簡単に調整できる必要があり、先端エレメント部のロッドアンテナ採用はこれに最適と判断しました。

【使用部品】
1.ロッドアンテナ:全長83cm 仕舞寸法10cm
2.手元エレメント:12φアルミパイプ 28cm 2本継
3.エレメントジョイント:VE14管塩ビ電線管
4.コイルボビン:7/10MHz VE16管、14〜28MHz VE14管
5.コイル線材:0.5mm ポリウレタン線
6.バラン材:FT50-43材(ソーター型)
7.エレメントジョイント構造物:3Dプリンタによる製作
8.重量:420g(7MHzコイル装着時実測)
9.耐入力:20Wmax(SSB時)FT8,CW時は10W以下を推奨

ジョイントとコイルボビンにVE管を使用したのは、一般的に使用される水道管用のVP管と比較し、肉厚が少し薄く軽くできるからです。材料はほぼ同じようです。

【ブロック別構造】
1.給電部
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バラン内蔵           エレメントジョイント部

2.マッチングユニットプラグイン部
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プラグイン端子面      プラグイン後

3.マストクランプ部
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10〜35φ程度のマストに固定可能

4.手元エレメント部
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片側2本構成           エレメントジョイント部

5.給電部エレメント結合、ジョイント
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給電部/エレメント結合      エレメント/エレメント結合

6.短縮コイル部
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短縮コイル            短縮コイル結合部

7.先端ロッドアンテナエレメント部
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先端エレメント          短縮コイルとの結合

8.片側エレメントセット(短縮の場合)
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給電部を除くエレメントセット 
(50MHzの場合は短縮コイルの代わりにエレメントジョイントを使用)

9.マッチングユニット
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裏側              各バンド対応(一部兼用)

10.短縮コイル
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カバー装着前           カバー装着後

【設置事例】
1.三脚設置
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2.ベランダ設置
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塩ビ管の45度エルボを使用してベランダから突き出し設置
右は、ロッドアンテナエレメントのみ縮めた状態

【バンド帯域特性(VSWR)】
Pocke Antenna Analyzerでエレメント長調整後
各バンド写真下の値はSWR計での実測値

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SWR1.5以下帯域幅 ±9KHz
SWR2以下帯域幅  ±17KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 25KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±14KHz
SWR2以下帯域幅  ±25KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 54KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±20KHz
SWR2以下帯域幅  ±35KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 50KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±38KHz
SWR2以下帯域幅  ±75KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 60KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±60KHz
SWR2以下帯域幅  ±105KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 90KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±60KHz
SWR2以下帯域幅  未測定
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 80KHz

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SWR1.5以下帯域幅 ±65KHz
SWR2以下帯域幅  ±125KHz
エレメント1cm当たりの周波数偏移量 109KHz

※50MHzは手元にデータが残っていませんでした。フルサイズなので当然ながらバンド幅は広い。
 JK1LSE OMの測定で、紹介されています。
※エレメント1cm当たりの周波数偏移量データにバンド間で矛盾を感じるところもありますが、測定当時のデータをそのまま記載。マクロで参照すれば問題はないかと思います。

【失敗談】
短縮型ですから、短縮した分投下したエネルギーはコイルで熱となって消費されます。
このコイルでどこまで持つか、50Wを連続で投入していたら、見る見るうちにSWRが悪化していき、ベランダに出てみたら、コイルが写真のような有様です。
20Wでもほんのり暖かくなります。(よって推奨は10W以下)
コイルボビンにファイバー製など高温に強い材質で軽量のものがあればよいのですが、コストパフォーマンスから現状のVE管となっています。

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【3.5MHz対応】
3.5MHz対応は短縮率が大きすぎるのと耐入力に限界があるので現実的な使用には耐えられないだろうと思って考えていなかったのですが、Twitterで呟いたら、3.5MHz用のコイルは?という質問があり、とりあえず作ってみようかと思いコイルを巻いてみました。

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上の黒いのは7MHz用コイルです。
巻き数が非常に多く苦労しましたが、何とか共振でき、QRP(5W)での使用では国内はできないことはないといった印象でした。苦労の割には短縮し過ぎかな?!

【纏め】
結果として、ディスコンが正式に発表されたFT-818とかIC-705、また自作などのQRPリグなどでのQRP移動運用、ベランダでのスティルスアンテナとしてそれなりに使用できるアンテナが出来上がったかなと思っております。



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2023年01月04日

謹賀新年 2023

本年も宜しくお願いいたします。
徐々に活動開始してゆきます。
posted by ja6irk at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | QRP-HomeBrew

2022年12月31日

2022年もありがとうございました。 1年の総括!

1年は早いものでもう年の瀬を迎えてしまいました。
前回の日記が9月だったことを考えるといったい何をしていたのか?と思えるほどです。
その中でも、毎月何かの実験や試作、頒布を続けてこられたのはご支援いただいている皆様のお蔭と感謝するばかりです。
特に2022年は、7月の関西ハムフェスティバル、8月のハムフェアと2019年以来となるイベントが再開され参加できたことは良かったな!感じております。
1年を振り返って、新しくトライできたこと、途中のもの、できなかったこと等を総括してみたいと思います。


【新しい頒布品】

1.Pocke Paddle mini 2022/2〜
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  イベントでの参加記念品、
  マスコットとして製作、意外と実用的でした

2.Pocke TATOR Jr.  2022/6〜
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  写真真中
  更に小型のminiも製作し短命に

3.Pocke DecoKeyer  2022/6〜
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  K3NGキーヤーに表示をつけ更にCWデコード機能も
  名刺サイズの小型化も
  
4.Pocke IF817G    2022/7〜
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  ディスコンも噂されるFT-817系対応
  移動運用時に対応してGPS搭載機も

5.Pocke TATOR mini  2022/8〜
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  回転させるだけの機能に絞って小型化

6.Pocke ANT078    2022/8〜
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  JK1LSE OMの支援を願ってやっとのことで完成

7.Pocke ANT24    2022/9〜
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  430MHzに続き144MHz用も

御礼
 以前からの、PockeKeyer(K3NG Keyer搭載)、Pocke PaddleV、Pocke IF817Uは継続して多くの局長さんからご要望いただき頒布させていただきました。
 また海外からも多くのご要望をいただき、欧州、北米、アジアまで送付させていただきました。
 本当にありがとうございました。


【未だに頒布品にできてないもの】

1.Pocke ELETATOR(衛星追尾ローター:仰角付き)
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  2年越しで未だ満足いかず未完成
  小型化はできたので2023年こそ

2.Pocke Antenna Analyzer(周波数拡張版)
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  430MHzアンテナを作ったのでアナライザーも対応へと
  苦戦しており、進まず


【作ってみたもの】

1.Pocke SatDial
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  衛星通信は忙しいので操作を簡単にと
  時々フリーズしてしまい、今一つ

2.クロスヤギウダアンテナ(衛星対応)
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  2023年には、JK1LSE OMだより

3.FM TRX
  IMG_0842.JPG  IMG_0909.JPG
  QYT28の頒布で28/50 FMも面白そうだなと
  中華製ワンチップICメインで基板も製作
  受信感度が今一つで、未完成

4.ディスコーンアンテナ
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  AirBand受信用に製作、430MHz 100mWで日光との交信も

5.Pocke VDP(マルチバンド対応コンパクト短縮V型ダイポール)
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  移動運用対応でコイル交換型マルチバンド対応
  全長約3m、50MHzはフルサイズ
  収納時はA4サイズ以下にコンパクト化

6.コイル巻き線機
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  コイル巻きが大変なので作ってみたら意外と良好

7.APRSコンパクトアダプタ
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  使ってないハンディTRXの活用策にと
  今一デコード率が低くて検討継続中

8.FT8コンパクトTRX
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  JE1RAV OM製作のソフトを活用させていただいた
  コンパクトなものができて面白そう


【OnAir関連】

1.6m AMロールコールへの参加
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  ひょんなことで入手したRJX-601を使ってみて
  面白そうだったのでFT690も入手して、ロールコールにも参加
  2エレデルタループは強力です

2.自作機によるQRP FT8 OnAir
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  2017年製作のダイレクトFSK方式を使って
  USBケーブル1本でスマホアプリ運用

3.QRPコンテストへの参加(自作機部門)
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  高校の時のフィールドデイ以来のコンテスト参加
  自作機Pocke6でSSBとCWでそこそこのポイント確保


【参加イベント】

1.関西ハムフェスティバル
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  やはりイベントは楽しい

2.ハムフェア
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  沢山ご来場いただきありがとうございました
  良い写真がなかった


【2023年は!】

 ご要望をいただきながらいまだに未完成となっているPocke ELETATOR、Analyzerの完成と、JE1RAVさん製作のコンパクトFT8 TRXをヒントに、2017年製作のダイレクトFSK機をベースとしたFT8/CW兼用機をつくってみたいな〜!と思っています。
 頒布品は、ボチボチではありますが、部品の入手が可能な間は続けていきたいと思います。
 イベントは、3月19日の関西ハムシンポジウムの参加から始めたいな〜!と。
 相変わらず気が多いので、その時興味を抱くとそこに走る性格なのでまた1年たってみないと結果はわかりませんが!

 2023年もよろしくお願いいたします!




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2022年09月22日

144MHz 4エレヤギウダアンテナ

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軽いシンプルなヤギウダアンテナを構想してだいぶ時間が経ってしまいました。
プロト機を紹介してから約一年が経過していることに我ながら驚いている次第です。

http://blog.toshnet.com/article/189101335.html

このうち、430MHz 8エレについては、8月のハムフェアにて初お目見えさせていただき好評を得て即売となりました。
ご訪問いただいた数人の局長さんから、144MHz用はまだでないのか?という問い合わせもいただき、実は144MHz用は送付の梱包サイズが大きくなり、送料が高くなるので悩んでいるというお話もさせていただきました。
ハムフェア後、コラボさせていただいているJK1LSE OMとも相談し、何とか80サイズで送れる構造が実現でき、先行品が出来上がり、再現性の評価もできましたので紹介します。

まず、送付サイズを小さくする方法ですが、これまでエレメントは1本のアルミパイプで構成していたのを(シンプルだから)、今回はエレメントホルダー部でジョイントすることにより2分割することにしました。組立作業は増えますが、約1mのエレメントが約50cmと半分になります。
ブームも、1mものをそのまま使うことを前提にしていたのですが、すでに430MHz 8エレで2分割しており、ブームも50cmになっています。
エレメントを2分割にすることによって、組立作業が複雑にならないように、差し込んでネジを締めるだけの構造にし、作業性も簡単化しています。

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すべてのエレメントを2分割にすることによって、下の写真のように分解した状態で非常にコンパクトに纏まりました。
80サイズの梱包箱にすっぽり入ります。

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重量も、実測306gと軽量に仕上がっています。(仕様重量は320g以下かな?)

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肝心なのは、性能と再現性です。
今回作成した3台の先行品と、1年前に作ったプロトを今回設計に改造した先行試作品、そしていつものようにダイヤモンド製5エレを実測し、比較してみました。

<結論>
1.利得   先行品3台は同じ利得となり、再現性は高い
       ダイヤモンド製5エレと比較し、遜色のない利得が得られた(実測は+1dB)
2.パターン 3台の先行品は酷似し、再現性がある
3.VSWR   全帯域(2MHz)1.5以下はちょっと苦しい(片方で1.7程度)

<実測値>
パターンNo2.jpgパターンNo3.jpgパターンNo4.jpg
先行品3台の、パターン図とVSWR特性です。
パターン図はよく似ており、再現性は高いといえます。
VSWR帯域特性は、最下点でVSWR 1.0〜1.1 144MHz帯域内で、1.7以下に収まっています。
CW、SSB運用を主体にするか、衛星通信を主体にするかで、下にチューニングするか、上にチューニングするか悩むところではありますが、FMのメインチャンネルを最下点にしても通常運用は帯域内で問題ないでしょう!
無調整でのバラつきがこの3台での実測レベルだと思います。
5mm程度のラジエーターの長さの調整で、上か下かは調整の範囲です。
FB比は、15dB程度とちょっと苦しい値の結果だと思います。

パターンNo0.jpg   パターン ダイヤモンド5エレ.jpg
左は、昨年試作したものを今回設計に改造したものです。エレメントは2分割せずそのまま使っています。
右は、ダイヤモンド製5エレです。
パターン図は、測定結果を180度反転させてプロットしています。
測定レベルは、それぞれの測定結果で最大値を0dBに正規化して表示しています。
今回先行品3台、先行試作品の測定最大値は-1dB、ダイヤモンド製5エレは-2dBなので遜色のない利得が得られていることがわかります。
ダイヤモンド製のFB比はなぜかいつもよくないです。ビーム幅は少し狭くなっています。
(いずれの測定も方位角190度でディップが見られますが、測定システム上の問題があるようで無視)

Image-1.png
MMANAでの設計データです。
利得は、ダイヤモンド製との比較においてシミュレーション値より大、FB比は残念ながら小、ビーム幅は利得が高い分狭くなっているかな!?という印象です。
いずれにせよ、電波暗室での測定ではなく、色々な反射環境のある当局のオープンベランダでの測定であることを前提に結果を見ていただければと思います。

このような環境での評価において、再現性のある測定結果が得られ、送付サイズもリダクションできたので144MHz 4エレも時間はかかりましたが、ご希望の方には使っていただけるものができたかなと思っております。

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最後に、これらのヤギウダアンテナの設計監修、一部部品製作、性能測定確認は、JK1LSE OMとのコラボで実施させていただいており、感謝申し上げます。







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2022年08月15日

430MHz8エレ ヤギウダ性能測定2

一応完成した430MHz 8エレ ヤギウダアンテナですが、実際に設置しての使用となるとその設置方法によって性能への影響が考えられます。
すべての設置方法を想定することは難しいのですが、一般的に考えられる方法を想定して、ここではVSWRへの影響がどうなるかを比較してみました。
(当然指向性パターンへの影響もあると想定されますが、VSWRへの影響を抑えれば影響は少ないだろうと判断しています)
今回は、10パターンを測定しました。写真の右側の数値が、
430.02MHz 432.98MHz 438.98MHz VSWRminiの時の周波数/VSWR です。

VSWRが極端に悪くなるケースはありませんでしたが、共振点の移動が見られるケースもあり、以下の推奨取付が好ましいと思われます。

結論:樹脂製水平ブームを使用してケーブルはブームから離すことを推奨
NGケース:金属ポールへの直接垂直取付は、共振点への影響を含め推奨されない
※ 樹脂製の水平ブームを使用した場合、メインのポールが金属であってもその影響は軽微である。
  水平ブームでの金属ポールとアンテナの距離は、今回約40cmで測定。
  金属製の水平ブームでの測定は実施しなかったので影響は不明。
  ポールに直接垂直取付をする場合、ポールは樹脂製を使用し、ケーブルはポールから離す方が良い。
  Aがこのケースですが、共振点が低い位置になっています。(2共振点の可能性もあり影響は不明)

@ ファイバーポール 直接垂直取付 ケーブルはポールに沿わせる
IMG_1625.JPG 1.15 1.35 1.25 430.18/1.15

A ファイバーポール 直接垂直取付 ケーブルはポールから離す
IMG_1626.JPG 1.2 1.1 1.45 430.14/1.1

B アルミポール 直接垂直取付 ケーブルはポールから離す
IMG_1627.JPG 1.1 1.45 1.3 430.02/1.1

C アルミポール 直接垂直取付 ケーブルはポールに沿わせる
IMG_1628.JPG 1.1 1.3 1.3 436.6/1.2
 
D アルミポール 直接水平取付 ケーブルはそのまま垂らす
IMG_1629.JPG 1.2 1.15 1.45 433.5/1.15

E アルミポール 直接水平取付 ケーブルはポールに沿わす
IMG_1630.JPG 1.2 1.15 1.45 433.2/1.15

F ファイバーポール 直接水平取付 ケーブルはポールに沿わす
IMG_1631.JPG 1.2 1.15 1.45 433.18/1.15

G アルミポール 水平ブーム使用垂直取付 ケーブルはブームから離す
IMG_1632.JPG 1.25 1.1 1.5 433.16/1.1

H アルミポール 水平ブーム使用垂直取付 ケーブルはブームに沿わす
IMG_1633.JPG 1.2 1.1 1.5 433.10/1.1

I ファイバーポール 水平ブーム使用垂直取付 ケーブルはブームから離す
IMG_1634.JPG 1.2 1.1 1.5 433.10/1.1


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2022年08月03日

430MHz 8エレ 八木宇田アンテナ完成!

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構想から試作品まで相当な時間が経過し、その試作品から更に10か月あまりが経過してやっと完成しました。
試作品の製作経過は以下のBLOGになります。

http://blog.toshnet.com/article/189101335.html

当局自身が気が多くすぐに色々なことをやりたくなってしまって、なかなか完結しないことに大きな要因があるのですが、このアンテナに関しては JK1LSE OMに設計・監修をお願いし、成果が得られました。
普通なら、そこから頒布に向けた準備が可能なのですが、これ以外の頒布品の対応も増えてきてなかなか準備が整わないまま、またしても時間が経過してしまいました。
と言っても放っておくわけにはいかないので JK1LSE OMにも相談し、設計・監修のみならず、主要部品の製作、性能確認も行っていただけることになり、やっと前進することになりました。
OM殿のサイトは、「木工 Pocky」さんなのですが、今回は木工ではないものの製作、性能確認までをお願いするので「Pocky工房」といったところでしょうか!?(ご本人の承諾は得ていません)
さて、本題に入って、今回は430MHz 8エレからスタートすることにし、材料を手配して数台(5台)を先行試作し、バラつきを含めて前回試作の性能が得られているのかの確認を実施しました。
性能といっても、メーカーではないので正確な性能を測定する環境はありません。
今回も、前回の試作で実施した、SWRの測定、最大限実施できる指向性パターンの測定メーカー製品と比較した相対利得の確認を、当局手元に送っていただいた4台(1台はOM殿の手元に原器として保管)について実施しました。
この4台のバラツキが大きくなく所望の性能範囲にあるならば、同じものを頒布することが可能になります。
結論、今回の4台についてはSWR、パターン図、相対利得ともにバラツキが非常に少なく、今後同じものを製作し頒布が可能と判断できました。

まず、VSWRです。測定は、6m RG-58Uケーブル+IC-705のSWR表示値です。
実際の運用に近い条件で、Rigから見たSWRとしてみました。(JK1LSE 測定)
SWR.jpg
クリックして拡大してみてください。
結果は、運用帯域においてほぼ1.0と十分な性能となっています。
当局の環境においても、5m RG-58U+IC-9700のSWR表示値においても同等の結果が得られました。

次に、パターン図です。測定は当局のマンションのオープンベランダにおいて、
送受信アンテナ間隔 8.5m、アンテナ高さ(ベランダ床面から)3.8mで実施しました。
送信Rig:IC-9700(5W) アンテナ:SG9500 
受信Rig(自作電界強度計(AD8307使用)) アンテナ:今回試作品
測定様子は、 http://blog.toshnet.com/article/189101335.html 参照ください。

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No1             No2

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No3             No4

パターン図は、No1〜No3が酷似しています。No4は若干違いますが、傾向は似ているといっていいでしょう!
メインロープの受信レベルは、いずれも0dBとなっており、FB比は、20dBが確保されています。
パターン図、ゲイン、FB比ともにバラツキは少ないといえると思います。

435_6ele特性.jpg
このパターン図は、前回試作時の設計データでMMANAによるものです。
実測は10度おきの測定のため、デイップとなるパターンは比較できませんが、サイドロープはシミュレーションより抑えられているように見えます。
今回の測定は、前回試作の時と違って、送受信アンテナの給電点高さを合わせたので、比較的正確なパターンが測定できたのではないかと思っております。

肝心の絶対ゲインですが、測定の手段がないため今回もダイヤモンド製10エレ(カタログゲイン:10.96dB)と比較してみました。

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メインロープが潰れたような形になっていますが、送信パワーを上げると10dB程度までは受信レベルが上がるので、サチっているわけではありません。
測定が1dBステップなので四捨五入の関係で±0.5dBの誤差はあるかと思います。
こちらは、左右対称なパターン図になっていますが、サイドロープのレベルは比較的高いです。メインロープは狭くなっているように見えます。
ゲイン比較ですが、同じ条件でメインロープの最大値が同じレベルで測定されていますので、ほぼ同じゲインであると想定されます。
MMANAのシミュレーション値では、約1dB低い(8エレと10エレの差)値になっていますが、ほぼ同等となりました。先の記述通り1dBステップの四捨五入の関係で±0.5dBの誤差があり得ますが、結果としては目標通りの値が得られたといえるでしょう。

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今回測定の8エレ 4台と 比較したダイヤモンド製10エレ

アンテナの自作を行う上で、最近ではMMANAを使用してシミュレーションをしてから作るというケースが多いとは思いますが、その結果として実測を行い、シミュレーションとの比較において確からしさの確認まで実施するケースは少ないかと思います。
前回試作で、実測を行い確からしさの確認までは行いましたが、今回、同じものを複数台製作し、バラつきまでを見てみて、同じものが製作できるところまでが確認できました。
次は製作ロットが違っても同じバラツキ範囲で作れるかを、測定してみたいと思います。

今回作った5台の内、保管分2台を除いた3台は、データ付きでハムフェアにおいて頒布させていただく予定です。ご興味のある方は、ブース C-49 AKCブースへおいでください。
ただし、当局は2日目(8月21日(日))のみとなりますので、ご注意ください。
詳細は、http://pocke.tech/sell/ をご覧ください。(これから順次情報アップします)

何とか頒布までたどり着けそうなところまで絶大なるご支援をいただきました JK1LSE OMには心より感謝いたします。





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2022年07月21日

PockeTATOR mini Ver1.0

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先日、回転動作のみに機能を絞った Pocke TATOR Jr.を開発し、初回頒布もさせていただきました。
これはこれで当初の目的は達成できたのですが、じっと眺めているともう少し小型化できるのではないかと思うようになり、重量的にも、直接マストに被せて簡単に固定できる構造としたことによって、初代 Pocke TATORU と比較すると200gほど重くなっており、もう少し軽くしたいなあ!という気持ちになってきました。
現在、構造の基本となる部分にはVP50という塩ビ管を使用していますが、モーターサイズからVP40管でも入れられるのではないかと思い、またまた検討を始めてみました。
回転力は落とさないように、使用するギアモーターは同じものを使用します。
結果として、VP40管を使用し、アルミポールの固定用に使用している異形ジョイントも50→25から、40→25と小型になり、結果的に200gほど軽くすることができました。
下の写真は。初代 Pocke TATORU、Pocke TATOR Jr. との比較です。かなりスリムになったことがわかります。

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マストへの取り付けは、Jr.と同じくマストの上から被せて、ネジで固定する方式です。

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名前は Pocke TATOR mini とすることにしました。
コントローラーは、Pocke TATOR Jr.と同じものが使用できます。

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モーターは、これまでと同じものを使用しているため、2kg 以下の小型アンテナなら回すことができます。
いつもと同じですが、ダイヤモンド製 144MHz 5エレ、430MHz 10エレを並べて回転させてみました。



アンテナの方向が視認できる、ベランダや移動運用などでは使えるのではないかと思います。
コントローラーは、本体の2端子に12V(9V電池でも可)を加えて、逆接すれば反転するので、好きな形のスイッチで作られてもいいかと思ってます。

またまたコロナが急激に増えてどうなるか予断を許さないですが、ハムフェアには何台か持ち込めればと考えています。
60サイズで送れるようにするには、もう少しコンパクトにする必要がありますが。



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2022年05月27日

Pocke TATOR Jr.

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簡易型小型ローテーターであるPocke TATORはおかげ様で沢山の局長さんにお使いいただいており、機能も単にアンテナを回転させる機能から、衛星追尾にも対応し、また、Mac Dopplerという衛星通信リグコントローラーに内蔵されたローテーター制御にも対応してきました。
衛星追尾の視点からは、仰角ローテーター機能もプロトまではできているものの未だに頒布できていない状況ではありますが、一方では、移動運用や、ベランダで視認できる位置でのアンテナ回転においては、回転角度の認識など必要なく、単純に回すことができればいいので、シンプルなものが欲しいというご要求もありました。
昨今の半導体不足の状況で、コントローラーに使用しているマイコンやモータードライバ等々(本体に使用しているギアモーターも同じ状況ですが)、価格は2倍、3倍に高騰し、調達も制限された中で、これまでも不定期、少量であったとは言え、今後作っていけるかどうかも心配になってきました。
勿論、部品が入手できる間は作っていこうと考えておりますが、目視で単純に右回転、左回転だけの機能であればマイコンやモータードライバーIC等は必要ありませんので、ご要望にも対応して、シンプルローテーターのプロトタイプを作ってみました。

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構造的には、基本はこれまでのPocke TATORと同じですが、マストへの取り付けは、単純にマストの上からかぶせて横の二つの蝶ネジを締めて終わりという方法です。
ドライブするギアモーターはこれまでと同じものを使用していますので、駆動できるアンテナサイズや重さなどは同じです。
回転角度表示などは必要ありませんので、本体はモーターのみでセンサーなどは搭載していません。
その分、スペースに余裕がありますので、使用するパイプサイズを小さくしました。
制御線もモーター用の2線のみなので、一般的にどこにでも売っているACケーブル(平行ビニル線)、スピーカーケーブルなどを使用することができます。
電流も12Vで150mAも流れないので、細いもので十分だと思います。インターフォンなどに使用されているものでも大丈夫でしょう。
ケーブルを接続するコネクターも、シンプルにスピーカー端子などに使用されているものを使いました。
押して線を入れるだけなので接続方法もシンプルです。
今回、回転コントローラーは、Pocke TATORの取説で説明しているシンプルコントローラーを使用して実験しました。

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変わり映えしませんが、ベランダの手すりに取り付けたBSアンテナ用のマストに、本体を載せて、いつも実験で回しているダイヤモンド製の144MHz 5エレ、430MHz 10エレを回転させています。



電源は、006P 9V電池を使用していますが、回転力はあるのでこれくらいなら何とか回すことができております。モーターは12V仕様で2.5rpm(負荷によりスピードは変わります)のものです。IMG_1087.bmp   IMG_1088.JPG 

名前は、Pocke TATORのシンプル版なので Pocke TATOR Jr.としました。

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2022年05月17日

PockeTATOR衛星追尾Mac対応

スクリーンショット 2022-05-17 10.29.53.png

先日、簡易型ローテーター Pocke TATORの機能・性能改善を実施し、紹介しましたが、この機能のうちの衛星自動追尾については、Windowsでの対応しかできていませんでした。
しかし、衛星通信用のリグコントローラとしてMacのアプリを使用しておられる局長さんも多くおられ、Pocke TATORのユーザーさんにもおられました。
当局は、Macも使用していますが主はWindowsのため、Windowsでのコントロールとなっておりました。
そこで、機能性能改善もひと段落したので、Mac対応も検討することにしました。
とはいえ、どんなアプリがあるのかも知りません。
その道の方々にお聞きすると、MacDopplerなるものを使用されている局長さんが多いようでした。
調べてみると、1997年から存在している老舗のアプリのようで、今でもバージョンアップが行われており、対応リグとして 最新のIC-9700もできるようになっています。

スクリーンショット 2022-05-17 11.29.44.png

Windowsの場合、Pocke TATORの制御には、衛星軌道アプリであるCalsat32を使用させていただき、これが吐き出している衛星名、方向角、仰角のデータをPocke TATORコントローラーが制御できるように変換する中間アプリを自作して実現していました。

Calsat32toCTL2.jpg

さすがにMacのアプリを作る自信は全くなく、何とか実現の方法がないか探ることから始めました。
結論は、簡単で MacDopplerにはローターコントローラー機能が付属していました。
世界にある色々なローテーターに対応しているようです。
それぞれがどのような信号を使って制御しているのかの情報が少ないのですが、実際に信号の中身を観測して使えそうなものを選択することにしました。
条件はCOMポートを使用したシリアル通信で最低 方向角が読める方式です。
当局がダウンロードして使用している MacDoppler ver2.42では、20種類のローテーターが選択できるようになっています。

スクリーンショット 2022-05-17 11.28.02.png

まず、この中から使えそうなものを選択するわけですが、半分くらいは使えそうなシリアル信号が出ており、Windowsで作った中間アプリを作る必要はないことがわかり、ほっとしました。
その代わり、出力される信号が自作の中間アプリ Calsat32toCTLと全く同じものがあるはずもなく、PockeTATORコントローラーの制御信号の読み込み処理ソフトは改造が必要となりました。
まず、シリアルデータの読み込みの方法ですが、MacにUSBシリアルモジュールを接続して、WindowsPCにもUSBシリアルモジュールを接続して、TeraTermアプリでデータの内容を確認する方法をとりました。
Macに接続したUSBシリアルモジュールがプラグアンドプレイで何もせず認識してくれたのはよかったです。

Calsat32toCTL.jpg   SatEL.jpg
Windows用Calsat32tCTLデータ    採用したSatELのデータ

AutoTracker.jpg   EasyCom.jpg
AutoTrackerのデータ        EasyComのデータ

M2 AzEl.jpg   CD RAC825.jpg
M2 AzElのデータ          CD RAC825のデータ

こうして調べると、残念ながら、まず衛星名を出力しているものはありませんでした
次に、仰角がマイナスの時にデータを吐き出しているものもありませんでした
(つまり、衛星が視野範囲にある時のみデータが出力される)
衛星が視野範囲(aos in)に入る1分前に、その時点でのデータを吐き出しているものがありました。(ただし、仰角は0度:実際はマイナスであるが)
事前検討でこの3つ点にこだわったのは、衛星の仰角がマイナスの間に、その時点の方向角にアンテナを回して事前準備し0度以上になった時点で追尾の自動スタートをする、途中で追尾衛星を切り替えたときに衛星名でそれを認識し、追尾制御に齟齬が発生しないように切り替える、1分前にどの時点のデータが送出されるのは、追尾事前準備、自動スタートに使えそうだということです。
こうした事前検討の結果として採用したのは、SatELです。
後でよく考えると、Creative Design RAC825 が良かったかなと思ってます。
理由は、送出されるデータ量が常に一定でミスの発生が避けられそうだからです。
SatELでもデータ読み込みのミスは出ていないようなので、今更作り直す気はないのですが.....

IMG_1039.JPG
開発検証中の様子

実際にソフト改造をやってみて、衛星の自動追尾そのものは問題なくすんなりいったのですが、事前準備、自動スタートで苦戦しました。
理由は、Windows用自作中間アプリで送出されるデータをもとに、事前準備、自動追尾スタートの機能を作っており、MacDopplerから吐き出されるデータで同様の機能を実現するのに難儀したのと、元々Windows用に作った機能と交錯してしまって、迷路にはまってしまったからです。
継ぎ足し継ぎ足しでソフトを作ってきたので自分でも中身が見えなくなってます(汗;
事前準備、自動スタート機能を無しにしてもよかったのですが、マニュアルで事前にaos inの角度に事前設定しても、MacDopplerからの前のデータが残っていてそこに勝手に向いたり、何もなくて0度に向いたりです。
仮に、aos inが350度からで、0度になっていると350度まで回転してから追尾となり間に合いません。
それで何とかしようと、あ〜でもない、こ〜でもないと何度も何度もパステストを繰り返して時間ばかり過ぎていました。
基本的に現物思考で論理的思考ができないタイプなので、こういうのは不得意です。
結果として、Windows用に組み込んだルーチンなどを片っ端から外し、Mac用の専用ルーチンとして何とか動き始めました。
結果としての、今の動作は、MacDopplerで追尾衛星を選択し、コントローラーの追尾自動スタートボタンを押すと、aos in 1分前のデータで、その時点の衛星の方向に自動的に回転し停止待機、aos inした時点で自動追尾モードスタート、衛星の仰角が0度になった時点で自動追尾停止という機能となっています。

IMG_1037.JPG   IMG_1038.JPG
事前回転待機中           自動追尾中

Windows版は、仰角が0度でも衛星の方向角が変化すれば追尾していますが、MacDopplerからは、仰角マイナス時はデータが送出されないので認識手段がなく、0度になった時点で追尾停止の仕様となっています。
0度になってからの方法角の変化は少ないので実用上の問題は殆どないのではないかと思っています。

まだ完全ではないと思いますが、色々な衛星のパスでのテストでもなんとか動いている状況です。
北ゼロ度通過時の処理、途中で追尾衛星を変更した時の処理などもう少しテストを繰り返したいと思っています。




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2022年04月24日

Pocke TATOR 機能追加・性能改善

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長文です。備忘録として投稿します。
最初にPocke TATORの検討を始めたのがいつ頃だったのか忘れてしまって、このBLOGを調べてみたら2020年8月でした。
自分用に検討を始めたのですが、プロト2、プロト3、プロトファイナルと紹介をしていたら、頒布のご要望が出てきて、頒布を開始したのがその年の12月でした。

http://blog.toshnet.com/article/187852481.html
http://blog.toshnet.com/article/188177319.html

約一年半が経過して、当初は430MHzや1.2GHzの軽量ヤギウダアンテナを回すのが目的でしたが、屋根裏での設置事例や、衛星通信(145MHz/435MHz)に使用されたり、ついには衛星通信の自動追尾への要求も出てきたり、衛星やるなら仰角も動かしたいという要望も出てきたりと、それなりにそれぞれが興味深く、対応を検討してきました。衛星の自動追尾は途中からソフト対応しました。

http://blog.toshnet.com/article/188441950.html
http://blog.toshnet.com/article/189143723.html

一方、何か新しいことをやると必ず課題や問題点が出てきます。都度、検討や対策をしてきましたが、なかなか収束せず、時間ばかりが経過してきていました。
そうした中で、何とかあらかたの対応ができたのでバージョンUとして展開することにしました。

まず、課題・問題点を整理します。
(1) アンテナが軽量(1Kg以下)でも、回転角度がズレる。
(2) 衛星自動追尾では、数十度のズレが発生することがある。
(3) モーター軸とアンテナポールのジョイントが3Dプリンタによる樹脂で強度が心配。
(4) 内蔵電池が006P型のため、衛星追尾などでは持たない。
(5) 衛星通信は色々忙しく、操作手順を単純化したい。
(6) マイコンボードやモーター等、価格、輸送費が大幅アップ。

今回の機能アップ・性能改善(改悪も含む)は、
基本は、角度ズレ対策がメインで一番大きな悩みで時間がかかりました。
(1) 回転角度ズレ対策として、基準角度検出スイッチ追加。(ズレても90度おきに補正)
(2) アンテナのイナーシャによるズレ防止のための回転制動機能追加。
(3) モーター軸とアンテナポールジョイントを金属製に変更。
(4) 衛星が可視範囲に入る前に、追尾の予約、AOS in時に自動追尾開始機能追加。
(5) 電池内蔵は無しに。(ケースは薄くなりました)
(6) 少し価格アップしました。(マイコンボードがなくなり次第再アップ?!)

問題・課題の考察と検討経過
一番の悩みは回転角度ズレで、アンテナを載せず本体のみであれば、正確に指定角度まで回転し、ゼロ度に戻せば、正確に戻ってくれます。
小型の軽量なアンテナでも、うまく動いてました。
しかし、430MHzの10エレ(1kgくらい)で衛星追尾するとズレるという報告をいただいてました。
しかも数十度ズレていることがあると。
自動追尾でなく、オートモードで、例えば30度とか50度回した時には、大きくずれていることはないとも。
衛星自動追尾は、2度ずつ回転するので、追尾が終わった時点でズレが累積しているのではないかというコメントもいただきました。
そこでイナーシャに相当するものとして2kGの鉄アレイの重りをブーム(50cm程度:室内での検証のため)の両サイドに取り付けて、2度ずつ回転させズレの発生状況を確認しました。確かにズレますが、数十度もズレることはありません。
一応対策として、回転角度が指定になった時にブレーキをかける、一瞬逆転させるなどの処理を入れてみました。効果はありましたが、逆回転は、イナーシャの少ない状態だと逆に少しづつ戻ってしまい回転角度が足らなくなるという弊害もありました。
ブレーキは効果がありそうなので、それで様子を見ていました。こちらではそれなりにうまく動いていたのですが、現場ではやはりズレるとのことでした。
ズレている様子をビデオに撮って送ってもらうと、回転を止めたときに反動で戻っていて、またその反動で回転方向、逆方向に振動しながら停止している様子が見れました。
ギアモーターにはバックラッシュがあるので、その分の回転ブレがあります。
これがイナーシャによるブレによって倍加されているのではないかと想定できました。
エンコーダーで回転を検出しているのですが、風などによるバックラッシュの分は、回転方向が分からないため誤検出となるので、停止後は検出を停止しています。
この現象は、回転中に意図的に手でアンテナポールを左右に回すとズレが発生し確認することができます。
しかし、鉄アレイの重りでテストした時は大丈夫だったのに何が違うのか?ということですが、ブーム長が1mを超え,1.5mほどになると意外と回転イナーシャが大きそうだと思いました。
試しに、50MHzの3エレのデルタループ(自作、重量は1kg以下)を使って衛星追尾してみました。
確かにズレます。ブーム長は2mあり、重量は軽いのですが、空間容積はかなりあります。
回転停止するときに振動しています。まさに原因はこれであることが分かり、こちらではこのアンテナで効果のある対策をすればOKだと判断しました。
モーターに負荷はかかるけれど、回転を抑えるように制動すれば振動が抑えられ、ズレがなくなるという報告もいただきました。
そこで、Pocke TATORに適用できる構造を検討しました。
出来上がったのが、写真のような構造です。

IMG_0853_S.jpg

IMG_0949_S.jpg   IMG_0948_S.jpg

本体の天面を5mmのスポンジで、アンテナポールに取り付けた抑えで押付ける構造です。
この構造であれば、これまでのものに改造なく追加できます。
50MHz 3エレデルタループでテストしてみると効果は上々で、繰り返しの追尾テストでも、停止時の振動は抑えられ、ズレはほとんどありません。これが回転振動対策です。

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スポンジが経時的にへこんで効果が薄れても、抑えなおせば効果を維持できます。

次は、ズレたときの補正方法です。
屋根裏設置では、ズレていても時々覗かないとわかりませんし、(カメラを導入していただいているケースもあります)面倒な作業です。
よくダイヤルで使うロータリーエンコーダーを搭載して回転方向も検出する方法とか、VRを使用して回転角をアナログ値で検出する方法などを考えましたが、前者は制御線が増えるのと、コントローラーの基板も変更が必要になります。後者は市販のローテーターで採用されている方法で、最初のプロト1がこの方法でしたが間違って余計に回転させてしまうとVRを破壊してしまうので止めました。
後になって衛星追尾を検討した時、殆どがこのVRの電圧値を使って追尾制御されておりこれでもよかったかな!と思ったりもしましたが。
現在のエンコーダースリットによるパルスカウント方式は、制御線が1本で済むのと、いくらでも回転でき(同軸ケーブルがあるので限界はありますが)、設置の時、北ゼロ度を向けた方向を北ゼロ度と設定できるので楽です。結果として、衛星追尾時に北ゼロ度を通過する衛星パスの時も±180度まで反転することなく衛星追尾が可能になりました。
このメリットを活かしながらの対策として、決まった角度(基準角度)にスイッチを置いてそこを通過した時の角度がマイコンの認識とあっているかどうかを確認して、違っていれば補正する方法を考えました。
問題は制御線の増加です。増やしたくありません。
そこでいただいたアイデアが、アナログ値検出です。パルスを送っている線に、スイッチが入った時にパルス高を変えて、この値を読むことでパルスをカウントしながらスイッチを検出することができます。
制御線は増えずこれまで通りです。運がいいことに、コントローラー側もこれまでの経緯で、このパルスカウントの線は、アナログポートと、割り込みポートの両方につながってました。
コントローラー側のハードの変更は一切ありません。

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本体側のスイッチの取り付けも、検討の経過がありますが、結果としてそれまでの経緯で空いていた穴を流用して位置決めして取り付ける構造にできました。これによって、これまでの本体に追加の穴あけ加工などをせずにスイッチを取り付けることができました。


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最初は、スイッチを押す突起構造は追加部品としたのですが、次の金属ジョイントを使用するためにエンコーダースリットプレートの設計を変更したので、スイッチを押す突起構造と一体化しました。

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基準角度スイッチは、360度で一か所であるのですが、それだと、衛星追尾の時に必ずしもそのスイッチを通過するパスとは限らないので、補正が限られるというコメントもあり、90度ごとに360度で4回角度補正できるようにソフトを合わせて対応しました。これでかなりの確率で衛星パスでの補正が可能になりました。

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基準角度の決定方法ですが、これまでは北ゼロ度にしたい方向で、ボタンを押して設定しましたが、今回は操作方法は同じで、北ゼロ度にしたい方向でボタンを押すと、アンテナは自動回転を始め、基準角度スイッチまで回転します。そのあと、北ゼロ度まで自動的に戻ります。
これによって、北ゼロ度に設定した方向が基準角度スイッチと何度の角度かを認識して記憶します。
よって、このスイッチの角度を通過するたびに、記憶した角度と違いがあれば補正をするという方式です。
最終的にスイッチを押す突起は90度ごとに4か所作り、90度ごとに補正ができる構造としました。
具体的なソフトでは、いくつかの判断基準の幅を作っています。

その次の対策は、モーター軸とアンテナポールを接続するジョイントの金属化です。
これまでは3Dプリンタで製作した樹脂製でした。これで問題は殆どなかったのですが、移動運用で本体を取り付けたマストごと転倒してしまいこのジョイントが破損したケースがありました。
また、重量の大きいアンテナ搭載で大風に何度も吹き付けられ軸を固定するネジが馬鹿になってしまうケースもありました。
特異ではありますが信頼度は上げておきたいと思っていて、いろいろ思案していましたが、軸穴を空ける作業が手作業では精度が出ないので棚上げになっていました。
そうした中で、6mmのネジ穴が元々あいている高ナットが使えそうだと思い試作をやってみたら、6mmのネジ穴を6mmのドリルで開けることによってセンターが取れ、モーター軸にピッタリ嵌まることが確認できました。
モーター軸、アルミのアンテナポールを固定する横ネジの加工は必要ですが、ボール盤とタップで何とか加工可能でした。

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これまでは、電子工作と3Dプリントした樹脂の加工がメインでしたが、ついに鉄という金属加工までやることになり、いい意味では幅が広がりました。悪い意味では、切削油をかけてのボール盤作業となり、室内がついに金属加工作業場となってしまいました。
しかし、これで懸案のジョイントも解決しました。

次は、衛星追尾スタートの方法です。当局も、初心者ながら衛星通信をやりましたが、パスは5分から20分と短く、ループテストで送受信周波数合わせ、実際にはドップラー効果による周波数変動への対応など結構忙しいです。
アンテナの追尾はスタートしてしまえば自動になるので便利なのですが、衛星が視野範囲に入る前にやることが多くて衛星の自動追尾スタートを忘れてしまうことも多々ありました。
そこで自動追尾したい衛星を決めたら、視野範囲に入る前でもスタートボタンを押すことによって、その時点での衛星の方向に自動回転し、そのあと待機、その衛星が視野範囲に入った時点で自動追尾スタートする機能をソフトに入れ込みました。
勿論、衛星が範囲から外れたときには追尾も自動停止します。
このソフトの検証は、それに対応した衛星パスを見つけてのテストで結構時間がかかりました。
例えば、北ゼロ度通過前に待機した時、スタートが通過後だった時どういう挙動になるのか?
追尾中にほかの衛星に切り替えたらどうなるか? 待機中に切り替えたらとか!
漏れがあるかもしれませんが、一応それなりに動いているようです。

電池内蔵の件は、アンテナを回すモーターを回していますからそれほど持たないのはわかっていましたが、手動で動かす分には使いではあるかと!内蔵できるようにしていました。
しかし、衛星追尾となるとずっと動いていますのでまったく持ちません。
電池の場合もDCジャック端子接続で対応はできますし、今回外しました。
これによりケースの高さ方向は薄くなりスマートになっています。

最後に、製作コストですが、ギアモーターを始め主要部品は中国から調達しています。
理由は、こうした部品は中国が世界的に主力供給元となっており、価格も安いからです。
それによって低価格で作れていました。
しかし、最近では、中国調達よりAMAZONの在庫品が安いという逆転現象まで出てきています。
理由は色々あるのでしょうが、コロナの要因も一つ、半導体の世界的な供給不足は社会問題になっています。それに加え、ウクライナ問題、大幅な円安。原油高、中国調達の輸送コストも上がっています。
使用しているマイコンボードに至っては、3倍以上、調達することも危うい状況です。
マイコンを変えるとなるとソフトの書き直し、基板の変更など手間と時間とリスクを伴います。
現時点での手持ちマイコンボードの数も数えるほどですので、なくなり次第コストアップもやむを得ないかと考えてます。基板変更もありそうなので悩みは多いです。
今回は、モーターコスト、送料などのコストアップを反映せざるを得ませんでした。
すみません。

仰角対応の要望もあり、プロトもいくつか作って動作はしていますが、上記悩みの対応でその後進んでいないのが現状です。

http://blog.toshnet.com/article/189143723.html

実働で動いているのは2台のみです。
懸案の課題も対応が見えましたので、仰角付きもこの後進めたいと思います。

最後に、種々テスト、ご提案をいただきました、JK1LSE OM殿に深謝いたします。










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